前回令和八年六月一〇日発行の「ら・みやび 686号では、岩槻郷土資料館で所蔵している「めんこ」について取り上げました。
このめんこはいわゆる紙製のもので地面などに置き、数人が交代で地面にたたきつけ、その風圧で、相手のめんこを裏返す遊びを行ったものです。
今回は、前回も少し紹介しましたが、そうしためんこのルーツにもなったと言われる「どろめんこ」を見ていきたいと思います。
この「どろめんこ」は、型に粘土を入れて素焼きしてつくったものです。
大きさはおおおそ三~六㎝程で、形などから面摸(めんかた)、芥子面(けしめん)、面打(めんちょう)の三種類に分類することができるようです。面摸(めんかた)は泥めんこをつくる際の型。
芥子面(けしめん)は人面や人形などをかたどったもの。面打(めんちょう)は円盤状のものです。
どろめんこには、人の顔、動物、文字、家紋、植物など多岐にわたる模様がみられます。

市内の遺跡から出土した どろめんこ(報告書から)
どろめんこは地面にあけた穴に銅銭を投げ入れ、取り合う「意銭(ぜにうち)」と呼ばれた平安時代の貴族たちの間で行われた遊びがもととなったといわれています。
江戸時代に一般に広まっていき、銅銭がこうしたどろめんこにかわっていき、地面にひいた線の中や穴の中に投げ入れていくものとなったようです。
江戸時代の終わり頃には、子供たちがこの遊びに熱中したことから、どろめんこの使用や販売することを幕府から禁止されたようです。
東京都台東区の谷中三崎町遺跡では、女児の墓所から名前と思われる墨書のあるどろめんこが多数、出土しました。
こうした墓所に副葬された例は他にもあり、おそらく、生前大切にしていたもので、亡くなった際、入れられたものと考えられます。
また、東京都墨田区江東橋二丁目遺跡からは、多数の土人形、どろめんこ、土製の玉などが見つかりました。
併せて、それらをつくった型、
どろめんこの型抜きの生地、製作時に付着したとみられるものなども見つかり、どろめんこをを含めた土製品をつくっていたことが考えられています。
さいたま市内でも発掘調査などでどろめんこは見つかることがあります。
こうした江戸近郊で見つかるものは江戸から出たゴミに混じりもたらされたものという考えもあります。
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