猫の話〜中編〜 作・たかや

らうんじ【岩槻】特別編集ページtamakoti

家には飼っている猫がいるし、夫も家に入れてまで面倒を見るには反対で、私もその気はなかった。
だから、猫が来ても餌をあげるだけだった。
それから、毎日餌をあげる日は続いた。
たとえそれが雨の降りしきる日でも。
段々と庭にいる時間が長くなっていた。
家の中には入れられないけれど、できることはあるはずだった。
段ボールで住処を作ったがそれだけで上手くいくほど簡単ではなかった。
いなくなって三日経った日。
私は落ち着かなくなっていて、近所を探し回っていた。
陽射しが強く、夏が間近に迫っていた。
そして私は探しているのによく似た猫に遭遇した。
「猫」を探し回って初めて野良猫の存在に気づいた。
問題意識が頭の中をちらついたけれど、今はそれどころではなかった。
車に轢かれたのか、餓死したのか、何か暴力を受けたのか、そんな不安も、突然終わった。
翌日、何事もなくいつものように住処にいた。
どこにいたのか、安心はしたけれど、この状態がいいとは思っていなかった。
そして一か月、猫は再び姿を消した。
お腹が膨らんでいたので、どこかで産んだのだろうと思ったし、また戻ってくるだろうとどこかで信じていたから、前回ほど不安にはならかった。
ただ、心配する日々は続いた。
住処の中から仔猫の鳴き声がそれも重なって聞こえてきたとき、「戻ってきたんだな」と思ったし、「無事に生んだんだな」と思った。
仔猫は4匹だった。
新しい問題も親子は連れてきた。

〜後編へ続く〜

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