【す】捨てたイノチの空しさ

す-「民主化していない奴は帰還させないでくれ」と、共産党の徳田球一がソ連に要請したという噂を、たしかタチで耳にした。これは昭和二十五年国会でも問題化し、衆・参両院で参考人証言が行われた。菅季治という通訳は証言後謎の自殺を遂げている。その真偽は明確でないが真実の匂いが強い。虫ケラのように捨てさせられた命、その命の代償は何であったか不問に付されて今日に及んでいる。戦友の死を忘却の歴史にしてはならぬ。
住めば都のシベリア囚人ばかり
住めば都というが︑収容所が都であろうわけはない。
特に常時三千万人は収容されているという収容所列島は、現世のものと信じられない、が現存している暗黒社会である。
世界平和を大切にしてはどうか。
殺戮治政の歴史を捨てぬかぎり、世界の信頼は得られまい。
【京】今日の夢もダモイの夢
今いきていてくださいお母さん!
母はよく夢枕に立って私を慰め励ましてくれた。
ナホトカに着いたとき、そのまま泳いで日本海を渡りたいと思った。
しかし、その関所で我々は空虚に革命歌を怒号し、祖国ソ連を賛美し大量殺人鬼スターリンに感謝の誓いを強制された。
その洗脳土産は大半の者が日本海の国境線で捨てた。
我々は何のために命を賭して働いて来たか?祖国日本は未だにその答えを出してくれない。
悪夢では済まされぬ。
今月の夢はめでたやお正月
故郷には何度も帰った。
元気な父母にも兄弟にも、そして幼友達の仲間とも、何度も何度も会って楽しかった。
いよいよ本物のダモイらしく十一月にナホトカに着いた。
日本に続く海があった。
もう少しだ、もう少しの辛棒だ。
波の音を聞きながら寝た。
その夜の夢はお正月だった。
さようなら!
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