浦和美園地区に、通りがかる人たちが目を見張るような建物がある。歯科医院の「リュウデンタルハウス」だ。院長の奥村龍(39)さんは「通常、歯医者は痛くなったら行くところと思われがちですが、本来は痛くなる前や悪くなる前に行くところであり、友人の家に遊びに行くような感覚で来て頂けるように」と願いを話してくれた。院内へ足を運ぶと、診療はすべて完全個室で行われることが分かるが、車椅子やベビーカーでも利用できる。1階と2階に分かれていて、2階はファミリー向けのスペースに。元気な子どもたちも飽きずに待てる空間があるため、安心して過ごせる。奥村さんは幼い頃に病弱で手術や入院を繰り返し、病院で怖い思いをしたと話す。年齢を重ねて介護施設へ訪れたとき、入居者のおばあさんから「入れ歯が痛いんだけど診てもらえる?」と間違えられた経験から「いつの日かこんな困っている人たちの力になりたい」と思い、歯科医を志したという。病院はスタッフや地域の方々に支えられて10周年を迎え、現在は、高齢者向けの訪問診療や保育園、小学校、高校などの学校医も担当。これまでの歩みをたどると「町の歯医者さん」として活躍したいという思いから、住まいを移した。歯医者を怖がるお客さんや入れ歯の不具合に困っている方などに向けて「虫歯菌をやっつける王国で待ってますよ」と奥村さんは笑う。気軽に足を運べる歯科医院として、今日も街の人たちに親しまれているようだ。リュウデンタルハウスへの問合せは048・878・5000まで。【増田啓子】
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