昭和の子どもたち~その4~ 『折り紙と図形のセンス』

~先月号からの続き

するとA君は突然「折り紙をしたい」と言いだした。
正直、算数の学習と無縁に思われる「折り紙」という言葉には「これでいいのかな?」と疑問も浮かんだ。
しかし、迷惑かけず静かにすることを条件に私は受け入れた。
やがて、多角形の内角の和の学習に入ったとき、私は目を見張った。
補助線を引いて考えることなどまだ学習していなかったはずなのに、A君はみずからさっさと補助線を引いて問題を解きはじめた。
その後もA君は図形の学習になると、あっと驚くひらめきをみせていた。
折り紙はA君にとってきっと、図形のセンスを養うのに最適な手段だったのだろう。
初めこそ疑問を持ってい私も、満足していた。
それから20数年後の同窓会で、A君に会うと「コンピューター技師として活躍している」と話してくれた。
その話を聞いたとき、当時の折り紙を思い出した。
この経験からふと、詩人の相田みつをによる「目立たない時は、根が育っているよ」の言葉の意味を私はしみじみと味わった。
       【谷 倫】

折り紙する子供とコンピューターを使う男性

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